なに、だれ…?! 「はな…し…」 ”放して!” この状況で言うべき言葉はきっとそれだ。 私は誰だかわからない人に連れ去られようとしているのだから。 なのに、私が助けを言いよどんでしまったのは、 私の腕を引く力が、とても強いくせに、とても優しく感じられたから。 まさか、と思って私の腕を引く人物を確かめようとする。 人でいっぱいのこの場所で、体格の大きな男の人もたくさんいるこの場所で、 背の低い私がその人物を確かめようとするには無理がある。 でも…