「はっ、な…してっ」 泣いているせいで声がうまく発せれない。 本当はこのまま抱き締めていてほしい だけど…素直になれないわたし。 「はなすわけねーじゃん」 「え…なん、で?」 「理由が必要か?」 彼はそういってわたしをはなさない。 「ひ、必要です」 わたしは答えたことに少し後悔した。 会話を終わらせればよかった、と。