*同時刻 龍高屋上*



「……はぁ」



ため息をついて、スマホの画面を見つめる。



“通話時間 4分53秒”



5分もかからないあの電話で。



依千花の運命を決めてしまうなんて、俺も残酷なことをする。



「泣いてんだろうな」



きっと、依千花は。



強がりなだけで、弱いから。




──ああ、そういえば。



強がりで弱いのは、アイツもだっけ。



さすが親子、か。



似たもの同士だな。



……さ、俺もそろそろ色々準備しねーと。



タバコの紫煙が、風に靡いた。