「ん。わかってるよ」 ───千花は、知らない。 俺が、どれだけ。 千花を想っているのか。 恋愛対象に見てもらえないなら、“弟”として傍にいるのでもいいって思ってることも。 千花は、何も知らない。 まだガキな高2の俺が。 「瑞希、上がったんじゃない?シャワー浴びておいで」 8つも年上である25歳の女の傍にいたいって思ってるなんて。 「ん。晩ご飯楽しみにしてる」 ──きっと誰も、信じないだろう。