「私に、あの日。指輪渡してくれたけど。あの指輪にペアがあるって知らなかったでしょう?」
「いや、そうじゃなくて」
「バイト、したんでしょう?」
「っ、」
アイツ、言いやがったな。
隠しとけって散々言ったのに。
次会ったら、絶対シメる。
「“依千花のために、どうしても自分で働きたい”って。亜希の知り合いの人に頼んで、バイトしたって」
「……はぁ」
ため息をついた俺に、依千花はくすりと笑った。
「大丈夫。これ、私とペアだから。それに、私が稼いだお金で買ってるから」
すっと俺の右手の薬指に、それをはめる依千花。
やっぱ、依千花の方が上手。
勝てる気がしない。
「若菜さんにもお願いされちゃったから。和架のこともらってあげる」
「逆だろ。俺がもらうんだよ」



