「もっと、する?」
答えはわかってるけどあえて尋ねれば、依千花は「もう」と困ったように笑う。
「和架のイジワル」
「知ってるだろ?」
「悔しいけど好き」
ふわりと依千花が微笑むのを見て、もう1度唇を重ねた。
すげー幸せ。
「和架、もっと……」
「明日、仕事は?」
「昼から」
「ん、わかった」
依千花の髪をそっと撫でる。
俺やっぱ、すげーキス魔だな。
……キス魔になった原因は依千花だろうな。
「愛してる、依千花」
口には、まだ出さねーけど。
いつかその時が来るまで、言わねーけど。
……ずっと、傍にいて。
傍で、俺だけを愛して。