「っ、待って……」



「待てない」



ギシッと、ベットが音を立てた。



千花に覆い被されば、恥ずかしいのか視線を逸らす。



相変わらず千花の部屋は、甘い香りがする。



「千花」



「な、に」



「愛してる」



「うん……」



「やめねーからな」



「本気なのね……和架のことだから、そうだと思ったけど」



千花は思っていたよりもずっと、繊細で。




「私明日パーティーだから、印つけるなら見えないところにしてね……」



「あー、多分無理。もうつけたから」



「!?」



甘い夜は、千花とふたりで。



「愛してる」



「ん…、私も…」



……聞きたかったこととか色々あったけど、幸せだからどうでもいいや。



──とりあえず、一番幸せな夜だった。