諦めるとか諦めないとか、どうでもいい。
ただ、千花との時間を邪魔されたことが俺の中ではすげームカついた。
「千花、ごめんな。せっかく出かけてる途中であんな風に邪魔されたら嫌だろ」
「別に……やっぱり和架はモテるって思ったけど」
「千花……」
手こそ繋いでるものの、さっきみたいに指が絡むことはなくて。
一度ショッピングモールを出て、近くのパスタ屋で昼飯を食うことになった。
そこに向かう途中、ずっと千花は不機嫌で。
「……千花、ごめん」
「別に謝らないで」
「千花、機嫌悪いだろ。嫌な思いさせた」
「…っ、違うの」
千花が、人通りのない道で立ち止まった。
手を繋いでいた俺も、必然的に立ち止まることになる。