親を“あの人”と呼ぶくらいなんだから、相当嫌ってんだろうな。



「姉ちゃんは、」



「………」



「姉ちゃんは、本気で白魏のこと継ぎたいのかなって思うけど。俺はどうにもしてあげられないから、何も言わない」



千花が白魏を継ぎたいのかと聞かれたら、それは俺も知らない。



だけど。



「継ぐんだろうな」



「だろうね」



千花は、きっと継ぐ。



俺の中にも、瑞希の中にも。



その確信があった。




「じゃ、和架。もう少しだからさ」



「ん」



「頑張りますか」



“最後の賭け”と言った瑞希に、俺はふっと口角を上げて。



「あぁ」



……────。