ガチャっとリビングの扉を開けると、あのアホ(瑞希のこと)はまだ起きてないのかいなかった。



まぁ、いつものことだ。



「おはよう、和架」



「ん、おはよ」



千花は相変わらずで。



「魘されてたけど、大丈夫?」



「ん。千花だろ?あれ」



「ふたりのお弁当作って、朝ごはん作らなきゃいけないから途中までしか拭いてあげられなかったんだけど。ごめんね」



「別にいい。千花も忙しいんだから、無理すんなよ」



「ふふ、ありがとう」




俺らの飯作ってくれるだけでもありがたいのに、毎朝弁当まで作ってくれる千花は本気ですごいと思う。



ちなみに、俺に親がいないのを知ってるのは瑞希だけだ。



他のヤツらは知らねぇから、きっと俺の親が作ってると思ってるだろう。



……瑞希と中身、一緒だけどな。