瑞希を空き教室の中に押し込めて、俺もソファに腰を下ろす。
「あ、はい。え、と…まず、瑞希くんに言わなきゃいけないんだけど。ずっと、黙っててごめんなさい」
ペコッと深く頭を下げた彼女の長い黒髪が床について。
彼女が、なんとなく千花に似てる気がした。
髪型は似てるけど、雰囲気とか。
持ってる、そこはかとない優しさとか。
「なんで、」
「?」
「なんで、黙ってたの」
瑞希の口調はいつもと変わらないし、強いて言えばいつもに増して弱々しい。
それなのにキツく聞こえるのは、持ち前の毒舌のせいだろう。
もともとの毒舌が突き放すような言い方だから仕方ないといえば仕方ない。



