「おはよ」



ガラ、と先に瑞希が扉を開ける。



開けたと思えば、その瞬間に固まった。



「瑞希?」



「な、んで」



中を後ろから覗き込んで、“ああ”と納得する。



「瑞希くん」



「花……」



「えっ、と…お話が、あって……」



おどおどと答える彼女の制服を見て、あることに気づく。




「如月(キサラギ)学園?」



ブラウンのブレザーに、黒のプリーツスカート。



グリーンを主にしたネクタイに、薄い青のブラウス。



ブレザーの襟についた金のバッジには、見覚えがあった。