それでも、あの人を敵に回すと色々面倒だ。



「瑞希」



「ん?」



「手伝ってくれるか」



これが、きっと。



俺の最後の賭けだから。



「うん、いいよ」



「その代わり、お前の彼女とのこともなんとかしてやる。黒のことも解決する」



瑞希は、“わかった”とつぶやいて。




「──俺ら、幼なじみだもんね」



「………」



「たぶん。無意識のうちに、こうやって支えあって生きてきたんだと思うよ」



“小さい時から”と言った瑞希に、ふっと口元が緩む。



「あぁ。そうだろうな」



──どうか。



誰もが自分の幸せを願えますように。