「「……あ」」



朝、熱がすっかり下がった俺は、部屋を出たところで瑞希に出くわした。



すっと視線を逸らした瑞希は、先に歩いていってしまう。



……何してんだか。



瑞希に会ったら、一番に“ごめん”って。



“悪かった”って、言うはずだったのに。



仕方なくその後ろを歩いていけば、瑞希はガチャリとリビングの扉を開けて。



「はよ、姉ちゃん」



……呼び方、戻したのか。




「おはよう、瑞希。今日は和架より起きるの早かったのね」



「いや、和架もソコにいるけど」



振り向いた瑞希とは視線が合わない。



ココに突っ立ってても仕方ねーから、部屋に足を踏み入れる。



「はよ。千花」



「おはよう、和架。体調どう?」