あんなの、ただの八つ当たりだ。
わかってたけど。
「…和架、入っていい?」
外から聞こえる千花の声も、無視した。
コンコンと、音がする。
ベットに寝転がって、枕に顔を埋めた。
千花からいつも香る、甘いシャンプーの香り。
「入るわよ」
自分の部屋なんだから、別に遠慮しなくたっていいのに。
「和架、ごめんね」
「………」
「ちょっと、無責任過ぎた」
千花がベットのふちに、腰掛ける。
っ。
そんなこと、するつもりなかったけど。
千花の腕を、ぐっと引いて。
「和、架?」
千花の声を遮るようにして、唇を塞いだ。
そういえば、今まで千花に誘われてばっかりで。
自分から千花に口づけたのは、初めてだ。



