「俺だから」
「え、和架…いたの」
「和架、いたなら声掛けてくれればいいじゃないの」
よく、そんなこと言える。
「楽しそうに話してたから、邪魔しなかっただけだ」
「いや、別に楽しい話してないし」
楽しそう、だったくせに。
俺と千花はあんなに触れ合って、近い距離にいたのに。
瑞希と千花は、本当の姉弟だから。
「お前が羨ましい」
「和架?」
「所詮“姉弟”と他人だからな」
「ちょ、待ってよ和架。意味わかんないんだけど」
「どれだけ想っても近づけないのが俺で、想いがなくても簡単に近づけるのがお前だろ」
あえて冷たく言い放つ。
そのまま、千花の顔を見ることなく自分の部屋へと戻った。



