瑞希がゆっくり目を覚まして、時計に視線を向けたあと。
「あのまま寝ちゃったんだ」
ポツ、と呟く。
そして、千花をジッと見つめたあと。
「なんだかんだ言って、和架ほどじゃないけど俺も姉貴のこと好きなのかもね」
どく、と。
心臓が嫌な音を立てた。
瑞希の“好き”が、“そういう”好きじゃないってことは分かってるけど。
「別になんでもいいけど」
瑞希が千花の胸元に顔を埋めるから、さらにどくどくと心臓は嫌な音を早めてく。
「……姉ちゃん」
──ズキン
胸の痛みが、また増した。
小さい頃、瑞希は千花ことを“姉ちゃん”と呼んでいた。
そして、それはずっと続いてて。
瑞希が千花を、“姉貴”と呼ぶようになった、のは……。



