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「ん…、?」



ハッと目が覚める。



どうやらベットに寝かされていたらしく、俺はゆっくり起き上がった。



「起きたんだ」



「!?」



背後から聞こえた声に、寝起きで無防備だった俺は、大袈裟に肩を揺らした。



振り向けば、幼なじみが椅子に腰掛けていたところで。



……俺が気づかなかった、だけらしい。




「姉ちゃん呼んでくる」



別にいい、とよく分からないが引き留めようとする前に、瑞希は部屋を出ていった。



ここ……千花の部屋、か。



シンプルなものが多いけど、ところどころ薄ピンクの小物が置かれた部屋。



可愛らしくて、でもシンプルな部屋は、ホッと落ち着くにはちょうどよかった。