「ねーと、思うけど」



「1回座って」



亜希に言われて座ると、額にペタリと手を当てられる。



アレだよな。



こういう行動が、幹部同士でデキてるっていう誤解生むんだろうな。



……まぁ、俺の場合千花に一途だけど。



ぼんやりする頭でそんなことを考えながら、前に立ってる亜希を見上げれば。



「完璧熱あるね」



……熱なんて、滅多に出さねーのに。




「和架、今日は帰った方がいいよ。瑞希、依千花ちゃん今日は家にいる?」



「仕事だけど……連絡したら帰ってくるんじゃない?」



そう言って、瑞希が携帯を取り出す。



千花と何かを会話したあと、「わかった」と電話を切った。



「どうだった?」



「30分後ぐらいなら帰ってこれるから、車で学校まで迎えに来るって」



「和架、30分待てる?保健室行くなら行ったほうが……」



「大丈夫だ」



熱っていっても、そこまでひどくない。