「正直こっちの方が苦痛だよね」
並ぶ女たち。
スマホ片手に、がっつりメイクと香水。
香水のキツい女ばっかり集まってるせいで、ここら辺の匂いすげーことになってるけど。
まぁ、知らねー。
早く行くぞ、と目で合図したとき。
「あ、あの…っ」
ひとりの女に、歩みを遮られる。
……ああ。またか。
他の奴らもわかったのか、若干顔色が良くない。
湊だけは、ニヤニヤとしてるけど。
「何だ」
視線は俺に向けられてるから、今回は俺なんだろうな。
自意識過剰でもなんでもなく、これはもう仕方ないことだ。
「っ、えっ、と……1年B組の矢島 成海です」
他の女子に思いっきり睨まれてるけどな。
まぁ、これはお馴染みだから誰も気にしてねーんだろ。



