「……ん」
「眠そうね」
優しく髪を撫でられて、千花にぴったりくっつく。
ああ、なんか。
このまま寝たら、俺幸せな夢見れるんだろうな。
そんなことを考えていたら、ウトウトと瞼が閉じていく。
「寝ちゃいそう」
くすくす笑う千花の声がとろけるように甘くて、すごく安心して。
「……ん、」
千花が離れないように、裾をきつく握った。
変わらず顔を埋める千花の胸は、俺だけのもの。
「ふふ。おやすみなさい、和架」
眠気に逆らえず、まぶたが閉じた真っ暗な世界の中で聞こえたその声は。
いつも俺を、救ってくれる。
落ちた夢の世界で、優しく髪に触れられて、俺は小さく身を捩った。