【完】純白の花に、口づけを。




* * *



──コンコン



午前0時過ぎ。



いつもなら、千花の部屋にこんな時間に向かったりしない。



この時間には、大抵俺は部屋で亜希たちと連絡を取っているか、調べものをしているか。



暗黙のルールで、0時すぎに誰かの部屋へ行くことはまずない。



色々と思い詰めているのか、瑞希も今日は素直に家で大人しくしていた。



疲れてると言って晩ご飯を食べてすぐに部屋に行ってしまったから、もしかしたら既に寝てるのかもしれない。




「はい……?」



カチャリ。



ドアを開けた千花は、俺に「どうしたの?」と優しく声をかけた。



「話、いいか?」



「あー…ちょっと待ってね。今電話中なのよ」



「入っていいわよ」と言われて部屋に入ると、千花はスマホを耳に当てた。



「あ、ごめんね花ちゃん。また連絡するわ」



……このタイミングで、か。