【完】純白の花に、口づけを。




瑞希が、薄く唇を噛んだ。



「俺は騙されてた、ってこと?」



「そうは言ってねぇよ。でも、黒がお前の彼女だってことに間違いはなさそうだな」



「そ、っか」



珍しく元気のない瑞希は、普段ならメールを送るにも関わらず、彼女にメールもしない。



それほど、ショックだったんだろう。




「──街の治安、どうなった」



「昨日幹部候補が見回ったらしいけど、荒れてるヤツが全然いなかったって」



「………」



“クロ”と、同じだ。



大きな力を使ったわけでもないのに、街の治安は確実によくなってる。



黒の由来は、なんだったか。



正体不明の、“クロ”。



だけど、確か……───。



“黒髪”があまりにも綺麗で、艶(アデ)やかで、恐れ多くて“黒”と呼べなかった、と。



過去に何かで聞いたことがある。