【完】純白の花に、口づけを。




ハルさんに背中押されるなんて嫌に決まってるけど。



俺は何も言わずに席を立って、千花の部屋へと向かった。



──コンコン



「千花、入るぞ」



返事はなくて、そのまま扉を開ける。



千花は、ベットの上でうずくまっていた。



「千花」



「………」



近づいて、千花と視線を合わせる。



「部屋、戻って」



「嫌だ」



千花を、ぎゅっと抱きしめる。



こうしないと、千花が消えてしまうような気がして。



「……和架」



震える声で名前を呼ばれて、俺は抱きしめる力を強めた。



大丈夫だから。



抱きしめた千花は震えてて、いつもより小さく感じて、どうしようもなく胸が締め付けられる。



俺がもっと大人だったら、何か千花のためにしてやれるのかもしれねーのに。