【完】純白の花に、口づけを。




「何食べたい?」



「……何も」



「ダメ。食べなきゃ」



千花がくしゃくしゃと俺の頭を撫でる。



首からは、千花にもらったネックレスが下がっていた。



「じゃあ、和架の好きなシチューにしましょうか。ちょっとでもいいから食べなきゃダメよ」



千花は珍しく制服じゃない。



不思議には思うけど、そういえば千花の家に来るのはひさしぶりだなってことに意識が行く。




大財閥の、白魏。



跡継ぎは瑞希じゃなくて、千花。



父親が社長、母親が社長秘書の千花の家は基本誰もいない。



よく考えれば、千花もひとりぼっちだったんじゃないだろうか。