“その人ね、「亜希くんは亜希くんよ」って言ってくれたんだ。無意識だったんだろうね。初めて心を許せる人が現れた気がした”
「あんまり長い時間じゃなかったから、名前はすっかり聞きそびれちゃったんだけど」
「今思えば、俺の初恋だったんだよね」
そう言う亜希の目もとに。
いつもかけているメガネはなかった。
「でも、この間なんとなく気がついた」
「あのパーティーで、その彼女がスピーチを話してたんだ。確か、彼女の誕生日パーティーだったのかな」
亜希は、ふうと息を吐く。
「──あのパーティー。白魏グループの、パーティーだった」
「あの時確か、彼女は中学2年だったのかな。だから、再会してすぐには気づかなかったよ」



