「………」
「ちょ、なんで黙っちゃったの和架ちゃんっ!もしかして意味とかなかったの!?」
あった、つもりだ。
俺なりに、千花のこと好きでいた。
……だけど。
「何がしたかったんだろうな、俺」
千花の一番がいい。
だけど、奪う気も諦める気もない。
だからといって、彼女になって欲しいわけじゃない。
……俺が千花に望んだものって、なんだ?
「和架はよ~、“安心”が欲しかっただけじゃねぇの?」
安…心……?
「家族失って、傍にいたのが“偶然”にもいっちゃんで。縋る相手がいないから、縋ってずっと傍にいたけど。“安心”を自分に与えてくれる相手を失うのが怖いだけじゃね~?」
確かに、千花といたら安心する。