「千花が大人だから」



「うん」



「一緒にいる俺は、自分ですげぇガキだなって思うから。千花から見たらどうなんだろうって」



それを聞いた千花は、ゆるく口角を上げて。



「和架は、和架よ。大人だとか子どもだとか、関係ないの。私はそう思ってる」



ああ、好きだな。



そう言ってくれる。



───“俺”を、見てくれる。




「千花にもうひとつだけ、聞いていい?」



どうしても、聞きたかったこと。



「いいわよ」



「来たとき。どうしてキスしようって言った?」



「和架は、どうして拒まなかったの」



千花の質問の答えなんて、ひとつだけ。



「千花が好きだからに、決まってるだろ」