「お前らバーベキュー焼く係な」
「めんどいからって押し付けんなよ」
「暑いのに火の傍にいるなんて拷問だろ」
一緒じゃねぇか。
「その前に和架くんも亜希くんも着替えてきたら?更衣室向こうにあるし」
叶恵さんの指差す方には、確かに更衣室らしいところがある。
「ふたりの荷物も、希依ちゃんが見張りしてるところにあるわよ」
来るときに買ってきたお茶のペットボトルを、クーラーボックスの中に入れながら千花が言った。
見張りも兼ねてたのか、希依。
まぁ、プライベートビーチだから誰も来るわけねぇし、見張りなんていらねぇけど。
「お手伝いしなくて大丈夫ですか?」
「ふふ、大丈夫。焼くのも初めは私たちでやるから、着替えて泳いでおいで」
千花のその言葉に甘えて、そうすることにする。
とりあえず荷物を取りに行く途中で、ハルさんが「千花は甘いな」と言ってたのが聞こえた気がした。