「ほんと、もったいない」
ポツリと、叶恵さんが呟いた。
「片思いばっかりね。想ってるのは同じなのに、お互いの相手が重ならない」
「叶恵」と彼が呼んだことで、彼女はそっちの方へ歩いていく。
だけど俺の頭の中に、その言葉は強く残って。
「…亜希」
「ん?」
「何が、正しいんだろうな」
それさえも分からなくなってしまう。
千花は、今頃。
ハルさんの元で、泣いてるんだろうか。
「ふふ。和架らしくないね」
“それほど依千花さんが大切なのか”と、呟いた亜希は。
「和架が正しいと思うものを、突き進めばいいんじゃない?」
「………」
「大丈夫だよ。もし和架が、逸れたら。俺らが元の道に戻してあげるから」



