「俺の扱いひどくね~?」



「湊」



「おはよう、湊くん」



「湊で良いっつってんのに。律儀だねぇ、依千花さん」



「なんで千花まで口説いてんだお前」



「おー、こえーこえー」



思ってないだろ。



チッと舌打ちすると、亜希は苦笑気味に「希依が海行きたいって」と一言。




「…海?」



「うん、海っ!」



「女多いだろ」



「えぇー。行きたいよー」



むう、と涙目になる希依ははたから見たらすげぇ可愛いんだろう。



間違っても恋愛感情なんて芽生えねぇけど。



「和架ちゃーん。だめー?」



そして俺は、基本コイツらのお願いに弱い。



甘いんだろうな、たぶん。



「……いいけど」