* * *
「え?あ、わかり…ました。すぐ行きます」
──午後7時15分
何かあったわけじゃないけど、たまたまテレビで時間が表示されていたから覚えてる。
突然かかってきた電話に出たのは千花で、その声はなんとなく震えている気がした。
「和架、瑞希、落ち着いて聞いてね」
電話を切った千花が、俺らに向き直る。
「──若菜さんたちが、事故に遭った」
は……?
事故?
母さんたちが?
信じられないし、信じたくない。
特別親と仲が良かったわけじゃないけど、俺だって人間だし、家族がいなくなったら哀しいのは当たり前で。



