「…ヒントは?


何て言っていたの…」


「『ニセモノは、今回の肝試しに本当は参加したくなかった』…。


こいつ、肝試しに誘われた時から、ずっと怯えっ放しで…。


絶対、参加したくなかったと思う」




そんな………だからって…。


そんな事を言ったら、私だって嫌な予感がして、今回の肝試し、あんまりノリ気じゃなかったし………。


他にも、そんな人はいるんじゃ………。




それに…。




「視力は…」




樹里が、ぽつ、と降り始めた雨のように呟いた。




「は?」


「七海君の視力は?いくつだった?」


「何でそんな事……。


確か、両目2.0だったと思うけど…………」




えっ……。


それじゃあ…………。




「じゃあ、七海君は、きっとニセモノじゃないよ……。


だって、さっき私達が見つけたぬいぐるみが言っていたもの……。


『ニセモノは、視力が悪い』ってね……」