「伊村、頼んで良いのか?」


「うん、勿論だよ。


私…あんまり疲れてないし…」




普段、あまり喋らない綾が、淡々と言う。




綾……そんなに皆の役に立ちたいんだね。


私もあまり眠くないし…。




「じゃあ、私も…」




私も、やるよ。


そう言おうとした時だった。




「忍ちゃんは休んでいて」




と、綾が割り込むようにして口を開いた。




「え…?だけど……」


「忍ちゃん、すっごい顔色悪いし……。


休んでいた方が良いよ」


「う……うん…」




私はそう言うしか無かった。




そんな私達の様子を、樹里は睨み付けていた。




そして、その日の見張りは勝本君、綾、林、村上さん、福村君の五人となった。


私達は、見張りがいるから大丈夫だろう…と安心して眠りに着いた。