-放課後-




辺りは少し薄暗くなっていた。


他の部活も活動が終わり、廊下はすっかり静まり返っていた。




同じ美術部の友達の綾と、一緒に下校していた。




「そういえば、綾も樹里に肝試しに誘われた?」




私は、何気無く綾に訊いてみた。




「えっ…誘われてない……」


「あれっ」




返って来たのは、意外な返事だった。




どうしてだろう?


樹里、クラスの皆でって言っていたのに……。




「じゃあさ、一緒に今度の日曜、肝試しに行かない?」


「えっ……良いの?」


「うん、多分、クラスの皆が来ると思うし」


「じゃ、邪魔にならないかな………?」




邪魔かぁ…。


綾は大人しいし、静かだし、全然騒いだりしなさそうだし…。




「うん、全然良いよ。


それに、綾がいた方が、私は嬉しいし」


「本当!?


ありがとう!」