ニセモノの私は死んだ。


私の、目の前で。




ニセモノの私とは言え、見た目はほとんど私と同じ。


自分が死んだところを、見てしまうなんて。




不思議な気持ちでいっぱいだった。




「ニセモノは…死んだな。


これで、ホンモノの矢神と一緒に外に出れば、ゲームはクリアだ」




ぎゅっと、私の手を握って、勝本君は




「行こう、矢神!一緒にこの屋敷から出よう!!」


「うん」




私は、深く頷いた。




「これで、やっと解放されるんだ!」


「やっと外に出られる!」




と、皆は希望に満ち溢れていた。




ただ一人、堀江さんだけは、ニセモノの私の亡骸を、ただ名残惜しそうに見ていた。