慎重に、慎重に死体を退けていく。


とりあえず、一箇所に固めていく。




どうして、こうも抵抗もなく死体に触れているんだろう。




分からない。


もう、分からなくなってきたよ。




はあ……………。




私って、ニセモノなのかな…………。


だって……思い返してみれば……。




一つ目のヒント。


『ニセモノは、親友の好きな人に恋している』




私の親友の綾も、私と同じように勝本君が好きだった…。


私も綾も、勝本君と同じ人を好きだった…。




二つ目のヒント。


『ニセモノは、視力が悪い』




私は、コンタクトレンズなしではまともに生活が出来ない程、


視力が悪い。




三つ目のヒント。


『ニセモノは、今回の肝試しに本当は参加したくなかった』


最初は勝本君も参加する、と言われて私も参加したけれど、


この屋敷の噂を思い出してから、何だか嫌な予感がしていた…。