驚き過ぎて声も出なかった私達だが、




「……マジかよ」




と、やっと大北君が声を出した。




「いや、マジだって信じたから、本棚移動させたんだろ」


「そ、そうだけどさあ………」




そうだ。


私達は、堀江さんの言った事に賭けてみたんだ。


けれど、まさか本当に扉があるなんて……思ってもみなかった。




いや、これで何も無かったら、それはそれで困るけれど…。




「ど、どうすんだ…この扉」


「どうするって……入る……?」


「マジで言ってるのかよ、勝本!


なんかこの扉こえーよ!!」




…確かに。


この扉………嫌な雰囲気がある。


ただの、扉なのに………。




禍々しいっていうか…生理的に受け付けられないっていうか…。