大広間に着いた頃、携帯を見ると、時刻は「19:54」となっていた。




「お腹空いていない?


大丈夫?」




優しい声で、堀江さんが私に訊ねる。




「ううん………食欲は……ない、かな………」




あんな事があったんだ。


食べ物を体の中に取り入れる気は起きない。




「そ、そうだよね………ごめんね」


「ううん……堀江さんは悪くないよ」




堀江さんは優しいな………。


堀江さんだって友達を、村上さんを失ったはずなのに………辛いはずなのに……。


何だか、申し訳ない気持ちが溢れてくる。




「ニセモノ………早く捕まればいいのに………。


こんなゲーム、早く終わってしまえばいいのに」


「うん、そうだね………。


そして、早く黒幕が誰なのか、突き止めよう………。


千穂や…吉川さんや、伊村さん…………皆を殺した黒幕を…」


「うん」




私は、力強く頷いた。