このゲームのせいで、皆変わってきている。


立岡さんのように。


そして、樹里のように。




私だって、疲れている。


疲れているけど…………頑張るしかない。


ニセモノを見つける為に。




そして、私達は大きなキッチンのような部屋に入った。


ここで、ぬいぐるみを探す為に。




もう、誰も会話をしたりしない。


ただ作業的に手を動かす。




けれど、探しても探してもぬいぐるみは見つからない。




「あ」




と思ったけれど、樹里が小さい声を出した。




「どうしたの?樹里」




私は、樹里の方に駆け寄る。




「あったよ、ぬいぐるみ…………」




樹里の手には、あの例の気持ち悪い熊のぬいぐるみ。


樹里も、嫌々それを手にしている。