立岡さんは狂ってた。


完全に。


今までとは全く違っていた。




そりゃあ、こんな奇妙なゲームで何人も死んでしまったんだ……。


狂って当然………狂っていない私達の方が、おかしい位だ。


きっと、狂ってしまったせいで、正常な判断が出来なくて…………勝本君を殺したんだろう。




「三日で、もう十五人か………」




ぬいぐるみ探しに戻った私は、消えるような声で呟く。




「さぁ…どうだろうね。


もしかしたら……まだ死ぬかもしれないよ」




樹里が、気味の悪い、洒落にもならない事を言う。




「そういう事を言うのはやめようよ………前向きに行こう?」




そう堀江さんは言うが、




「前向き、ねえ………。


もう半分近く死んでいるのに、前向きにゲームなんて出来ないわ…………」




と、疲れ果てたように言う樹里。


今までは、誰が死んでも、なるべく明るく場を和ませてくれた樹里が…こんな事を言うなんて。




まだ………ゲームが終わるまで半分ある。


いや、もう半分しかないというのが正しいだろう。