私は叫んだ。


とにかく、叫んだ。


皆、私の叫び声で目を覚ました。




「な、何!?」


「どうしたの、矢神っち!」


「し、下井君が……下井君が!!!!死、死……!!!!」




私が説明するよりも早く、安部と下井君の友達である、瀬波が安部君を殴った。


バシ!!!という音が、大広間に響いた。




「どういう事なんだ、安部!!!なんで、下井を………


下井は、ニセモノじゃないんだぞ!?ニセモノは女子だって、さっき勝本が言ってくれたじゃないか!!!」


「…死にたかった」




ぽつり、と安部がそう答えた。




死にたかった?




「もう、誰かが死ぬのは嫌だ。


誰かが死ぬところを、誰かが死んだところを見るのは嫌だ。


嫌なんだ。




だったら、俺が死ねばいいだろ?


そうすれば、もう誰かが死ぬところを、死んだところを見ずに、済むだろ……?




ニセモノが女子なら、男子を殺せばいい。


下井は、たまたま横にいたから殺しただけだ」