ボーッとしている蓮に『ほら!』とペットボトルをもう一度押し付ける。


「人生って、一度しかないのよ。次、生まれ変わったら。なんてそんなの分からないじゃない?あと10歳若かったらとか言ってるくらいなら今やればいいのよ。生まれ変われないわよ。10歳若返れないわよ。ねぇ、実際死なないわ。死ぬ気でやりましょう。スケジュール、責任持って何とかする。やれるとこまで、蓮さんがもう無理だ、これ以上出来ない!ってとこまでやってみましょうよ。男でしょ?頑張りなさい!まだ始まったばっかりよ。気持ちが納得するまでやりましょう」


ポカンと口を開けて聞いていた蓮は、ふと我に返った。


「そうだ……な。うん。頑張る」


そう言って頷いたものの、実際は月川の迫力にかなり押されての返事だった。


「意外と男らしい……な」


「イヤだ。蓮さんったら。恥ずかしい!」


月川が照れる姿に蓮も恥ずかしくなった。