「何か、子供みたいだな」


「そう!子供!喜ぶよな?」


蓮は急に顔を上げて、目を輝かせた。


「何?蓮、子供いるの?」


風人の言葉に蓮は『あっ』という驚いた顔をした。


「バ、バカな事言うなって。みんな誤解すんだろ?って。ハハハ。20人位いるよ」


顔を引きつらせながらも白々しい笑顔を見せる。
周りのスタッフたちは誰も深く考える事無く、普通に笑って答えた。
ただ、風人だけは蓮の焦った表情を見逃すはずもなく。
直感で何かあると悟った。
後は。
どう話を進めるか。
とりあえず何か隠している事は分かった。
しばらく様子を見守るしかないだろう。


『まさか隠し子がいるなんて事はないよな?』
容器を選ぶ蓮を見つめながら、ふと、ひと欠片の不安が風人の心に落ちた。