保育士は超アイドル！〜恋していいですか？〜

園長が笑顔で花畑 蜜を見る。


「いません。今も。昔も。生まれてからずっと」


にっこり、優しく笑う。
『生まれてからずっと？新人の人気女優か？』と柚は突っ込みそうになった。


「きゃあ。いないんだって！どうしよう。柚先生、どうします？」


花先生のテンションは一気に上がった。
柚の左腕をブンブン振って、目は花畑 蜜から離れない。


「はい！はい！落ち着いて。どうもしません！ここは保育園ですよ。私たちの職場でもあるでしょ？婚活の場じゃないんだから。ほら、もう子供たちが来る時間！」


他の二人の保育士は初めて見る男の保育士を品定めしている。
結婚している41歳の城戸 綾乃(きど あやの)。
花畑 蜜とは歳も離れ過ぎているせいか、花先生のような黄色い声はさすがに出ない。
イケメンかどうかより、仕事が出来るかどうか。
即戦力になるかどうか。
もう一人は大福餅の二個目を口にしながら目をキラキラさせている。
椿原 莉子(つばきはら りこ)、26歳。
かなりふくよかな体型だが、ニコニコ笑顔で憎めないタイプ。


「はい！それでは皆さん、今日も楽しく頑張りましょう。花畑先生、柚先生について仕事覚えて下さいね。柚先生、お願いします」


『よろしくお願いします。柚先生』と花畑 蜜は微笑みながら軽く頭を下げた。