保育士は超アイドル!〜恋していいですか?〜

「わっ!」


「きゃあ!」


いきなり背後から誰かに背中を叩かれて、柚は驚きの余り前にこけそうになった。
柚の目の前には大好きな満開の秋桜。
これだけは踏めない。
大きく揺れる体のバランスを必死で保つ。
『あぁ……』と苦しい声が漏れる。
もうダメだ……。そう思った瞬間、体はガシッと誰かの両手に抱えられた。
柚の体は安心からその両手に沈んだ。


「あぁ……良かった。踏んじゃったらどうしようかと思った。ありがとう」


笑いながら振り返る。
この若い肌は花先生だろう。
こんな幼い事をするのも花先生以外にいない。


「こちらこそすみません。まさかこけるとは思ってなくて。ボク、テンション高かったかな?大丈夫ですか?柚先生」


優しく微笑む超絶イケメン。
サラサラの髪が秋風に揺れる。
柚の目がまん丸になる。
そして。
顔が真っ赤になり、軽くパニックになった。