保育士は超アイドル!〜恋していいですか?〜

「あぁ……。アハハ。お姉さんの子……か。なんだ。驚いたよ。折り紙の練習って言うからさ。オレの耳がおかしくなったのかと思った。お姉さんの子っていくつなの?」


「えーっと。多分、5歳」


蓮は冷や汗をかきながら答える。
心の中で、まだ独身の姉に手を合わせながら。


「5歳か。おませさんな年頃だね」


風人がそう言った事で、蓮の姉の妄想の子供は女の子という形になった。


「そう。分かる?今の子ってませてるんだよ。だから折り紙でも教えて古き良き大和撫子に育てようかと。これからの日本を支えるのはこの子たちなんだから」


何故か右手を上げ人差し指で天井の隅を指し、左手を腰に当てて希望に満ちた表情をしている。
天井の隅……、おそらく太陽に向けているのだろうと風人は思った。
そう想像するには少し時間がかかったが。


「何だか小学校の先生か保育士の採用試験の面接みたいな事言うね」


「実際これで決めたようなもんだからさ」


蓮はどこかを見つめた状態のまま、軽く手を握って小声で『よし!』とガッツポーズをした。