保育士は超アイドル!〜恋していいですか?〜

少し冷たく感じる風が、体に心地よい。
興奮して熱くなった心まで落ち着かせてくれるようだ。
月川 は、ぐっと男らしくなった蓮の後ろ姿を黙って見送るしかなかった。
たくましくもあり、そこには一抹の不安もある。
トップアイドルが何かを手に入れる時は、何かを失わなければならない。
それが普通であればある程、失うものが大きい。
何もかも、覚悟して掴んだはずの栄光。
だが、本当に欲しいものは普通の中にあると気付いた時、究極の選択を迫られる。
そして、失うものはあまりにも大きい。


「神様、どうか蓮さんをそっとしておいてあげて下さい。普通の時間を与えてあげて下さい。どうか……どうか……」


見えなくなった蓮の後ろ姿を月川の目はまだ追っている。


「何が起きても私は蓮さんの味方だからね!」


月川は小さくガッツポーズした。