月は空から私たちを優しく照らしている。

 先頭を歩くアキラの鼻歌が、静かに聞こえてくる。

 深い眠りについた町の中を、私たちは歩いている。

 私たち五人と、長く伸びたそれぞれの影だけが、町の中を動いていた。