翌朝、血相を変えたアキラが私たちを起こしに来た。

 一晩泊まったかおりが私の横で、眠たげに身体を起こした。

「今何時よ」

 かおりが腕時計を確認する。

「まだ五時じゃない。優子失踪事件で寝たのさっきなんだから、ちょっと考えてよね」

 アキラはかおりと私の腕をひっぱる。

「大変なんだよ!いいから早く来い!妊娠してたんだよ!」

 アキラの最後の言葉に、かおりは飛び起きる。

「今なんて!?」

 アキラは私たちが起きたのを確認すると、信也の部屋へ行った。

 問答無用でたたき起こす声がしている。

「なんてこと」

 かおりは軽く身支度すると部屋を出て行く。

 私もその後追おう。

 そこへ部屋から出てきた信也と鉢合う。

 信也はまだ夢の中だ。

 アキラは信也とかおりと私の背中を押しながら、リビングに向かわせる。

「早く早く!」

 リビングに入ると、アキラは部屋の端においてあるゲージの中を指差した。

 意味が分からぬまま、アキラの示した先を覗き込み、私たちは「「あっ」」と声を上げた。

「うへぇ」

 信也も遅れて声を上げる。